タクミ「屋根裏の音、アライグマかもしれない…」
「でも、どこから入ってるの?」
塞げば解決するのかな?
この記事では、アライグマの屋根裏への侵入経路を「入り口になりやすい場所」「経路の見つけ方」「閉じ込めを防ぐ塞ぎ方」の3軸で解説します。
音の発生源が分かっても、入り口が見つからないと対策の打ちようがなくて困りますよね。
結論から言うと、侵入経路は屋根まわり・壁面の開口部・床下からの立ち上がりの3系統に分けて探すと見落としが減ります。
そして大事なのは順番です。
経路の特定→個体の追い出し→封鎖の順で進めないと、屋根裏に閉じ込めてしまい、かえって被害が重くなります。
| 観点 | 押さえるべき対策 | やってはいけないこと |
|---|---|---|
| 経路の特定 | 屋根・壁・床下の3系統に分けて痕跡を記録する | 地上から見える範囲だけで判断する |
| 塞ぐ順番 | 個体がいないことを確認してから封鎖する | 音がした日の昼間にすぐ塞ぐ |
| 作業の範囲 | 高所や捕獲が絡む作業は自治体・業者へ相談する | 屋根に上って自分で作業する |
調査日:2026年7月30日(生態は環境省・国立環境研究所、法規制は環境省の公表情報をもとに作成しています)
読み終える頃には、ご自宅のどこを確認し、どこから先を専門家に任せるべきかを、感覚ではなく根拠で判断できる状態になっているはずです。
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守谷タクミ(獣害対策アドバイザー)
- 住宅リフォーム業界で15年勤務
- 20社の害獣駆除業者を調査・比較
- 害獣被害の修繕現場で蓄積した実体験をもとに情報発信
※当サイトの情報は環境省「鳥獣の保護及び管理に関する法律」、厚生労働省「動物由来感染症」、公益社団法人 日本ペストコントロール協会等の公的機関・専門団体の情報を、コンテンツ制作ポリシー、ランキングに関する根拠をもとに解説しています。
アライグマが屋根裏に入る主な侵入経路


最初に、入り口になりやすい場所の全体像を確認しましょう。
アライグマは木登りが上手で、前後の足に長い5本の指があります。
そのため地上付近の床下通風口だけでなく、換気口・軒下・戸袋・瓦の隙間・壁の穴・増築部分の継ぎ目など、建物のさまざまな隙間が侵入口になります。
穴の大きさについては、農林水産省の2025年の研修資料で、アライグマが潜り抜けられる目安として直径12センチの円が示されています。
ただし、これは一つの試験・調査値です。
開口部の形や奥行き、周囲の材質、個体差によって条件は変わり、弱い網や破損した部分を前足で広げることもあります。
なお8センチ四方や直径10センチという数値は、同じ資料ではハクビシンの値ですので、混同しないでください。
環境省の2025年版のアライグマ防除の手引きでは、頭胴長は42〜60センチとされています。
ただし頭胴長は鼻先から胴の末端までの長さで、通過できる穴の大きさを示す数値ではありません。
穴が小さく見えても、破損や緩みがある場所は候補として確認してください。
「うちには入れそうな穴なんてない」と感じる方こそ、注意してください。
侵入口は屋根だけにあるとは限りません。
農林水産省の資料では、地上付近の床下と上部の軒の双方が狙われ、床下では通風口からの侵入が最も多いとされています。
探すときは、次の3系統に分けると整理しやすくなります。
- 基礎の通気口・床下換気口の破損
- 金網の外れ・腐食・変形
- 縁の下や床下点検口の隙間
- 配管が基礎や壁を貫通する部分の隙間
- 換気口や通気口の網の破れ
- 外壁の穴・亀裂・板材の剥がれ
- 増築部分と既存建物の継ぎ目
- 戸袋や使われていない配管の周囲
- 軒下や軒天井の破損
- 瓦や屋根材の隙間・ずれ
- 屋根と外壁の接合部分
- 妻壁や屋根の換気口の網の破損
農林水産省は、床下通風口・軒の破損・瓦屋根の隙間・増築部分の継ぎ目などを主な侵入箇所として挙げています。
網が付いている換気口でも、破れたり外れたりしていれば侵入口になります。
また、侵入口を1つ見つけても、そこで点検を終えないでください。
見つけた穴の周辺だけでなく、建物の外周全体を確認することが大切です。



まず地上から見える基礎・床下と壁面、そのあと屋根・軒の順で。
双眼鏡やズームは予備確認用で、隙間がない証明にはなりません。
侵入経路の見つけ方と確認手順


候補の場所が分かったら、実際に使われている経路かどうかを確かめます。
ポイントは、開口部そのものより「開口部に続く痕跡」を見ることです。
- 泥やこすれの跡
雨どい・柱・壁面に、登り降りでついた泥の筋や黒ずみが残ることがあります - 爪痕・毛
開口部のふちや木の幹に、爪の引っかき跡や毛が残る場合があります - 足跡
手のひらのような5本指の足跡が、経路の下の地面に残ることがあります - 糞や食べ残し
経路の近くや屋根の上に落ちていることがあります。
触らずに写真だけ撮ってください
確認は、安全に見える範囲までにとどめてください。
屋根に上る・はしごで高所に近づく・屋根裏の奥に入る、といった行動は転落や踏み抜きの危険があります。
点検口からの確認も、懐中電灯とスマホで見える範囲までが原則です。
出入りの瞬間を確かめたい場合は、日没前後に建物から離れた場所から観察する方法があります。
アライグマは主に夜間に活動するためです。
ただし、姿を見かけても近づいたり追いかけたりしないでください。
音の記録や痕跡の写真がたまってきたら、屋根裏の物音の正体を診断する記事で候補の絞り込み方も確認できます。
ハクビシンとの見分けに迷うときはアライグマとハクビシンの見分け方が参考になります。
屋根裏に登られやすい家の特徴


侵入経路とあわせて確認したいのが、屋根まで登る「足場」です。
アライグマは木登りが得意なため、屋根に届く足場があると、屋根まわりの開口部に到達しやすくなります。
- 屋根に枝が届いている庭木
枝から屋根へ渡られる典型的な経路です - 雨どい・配管・格子
登り棒のように使われることがあります - 物置・カーポート・塀
段差の踏み台になり、屋根への距離を縮めます - 隣接する空き家や藪
身を隠せる場所が近いと、行動圏に入りやすくなります
築年数が経った住宅では、木部の傷みや網の劣化で開口部ができやすくなります。
ただし、新しい住宅でも増築部の継ぎ目や換気口が入り口になる例はあります。
「古い家だけの問題」と考えず、足場と開口部のセットで点検するのが確実です。



「開口部×足場」がそろうと侵入されやすくなります。
枝の剪定だけでも、足場対策として意味があります。
侵入口の塞ぎ方と注意点


経路が特定できたら封鎖に進みます。
ただし、ここで順番を誤ると逆効果になります。
個体が屋根裏に残ったまま塞ぐと、閉じ込めが起きます。
閉じ込められた動物が屋内で衰弱・死亡すると、悪臭や害虫の発生など被害がさらに重くなり、脱出しようとして建材が壊されることもあります。
数日間、音や出入りの気配を記録します。
小麦粉や新聞紙を開口部の内側に置き、足跡や乱れがつかないかを見る方法もあります。
判断に迷う場合は、無理に確定させず業者の調査に切り替えてください。
光や忌避剤で外へ出す方法が案内されることがありますが、効果は一時的な場合があります。
また、アライグマは1〜3月に交尾し4〜6月に出産するとされ、春から初夏は幼獣が屋根裏に残っている可能性があります。
幼獣だけが取り残されると衰弱につながるため、この時期の追い出しと封鎖は特に慎重に進めてください。
アライグマは力が強く手先も器用なため、緩い網やテープでは再び開けられるおそれがあります。
ワイヤーメッシュやステンレス製パンチングメタルなど、強度のある資材をビスでしっかり固定するのが基本です。
換気口は通気を妨げない金網で覆います。
糞尿が残っている場合は、手袋とマスクを着けて直接の接触や吸い込みを避け、作業後に手洗いと消毒を行います。
野生動物がどのような病原体を保有しているかは分からないためです。
封鎖後もしばらくは音の再発がないか観察を続けてください。
高所の封鎖・屋根の上の作業・広範囲の清掃は、無理をせず業者に任せてください。
資材の選び方と場所別の塞ぎ方は害獣の侵入口を塞ぐ方法の記事で詳しく解説しています。



「追い出してから塞ぐ」が鉄則です。
春から初夏は幼獣の取り残しに特に注意してください。
侵入口の周辺で見つかる痕跡の読み方はアライグマ被害のサイン5つ、夜間の物音や声から確かめたい場合はアライグマの鳴き声が参考になります。
塞ぐ前に確認したい法律と相談先


封鎖や追い出しを進める前に、法律の線引きを押さえておきましょう。
侵入口を塞ぐことや、餌になるものを片づけること自体は、捕獲にはあたりません。
一方で、わなを仕掛けて捕まえる行為は別です。
アライグマは外来生物法上の特定外来生物であると同時に、鳥獣保護管理法上の野生鳥獣です。
野生鳥獣の捕獲は原則として禁止されており、無許可捕獲など鳥獣保護管理法第8条に違反する行為は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となり得ます。
外来生物法に基づく防除の公示・確認または認定を受けた計画のもとで実施される場合など、個別の捕獲許可を要しないこともあります。
制度の詳細はアライグマの捕獲許可申請ガイドと環境省の鳥獣保護管理のページで確認できます。
迷ったら、まず市区町村の担当窓口に相談してください。
地域によっては箱わなの貸出や捕獲事業があり、封鎖前の捕獲を制度の中で進められる場合があります。
窓口でできることは害獣駆除の市役所相談の記事に整理しています。
捕獲器を使う選択肢を検討する場合はアライグマ捕獲器の使い方と餌もあわせてご覧ください。
業者に依頼する場合は、依頼しただけで捕獲が自動的に適法になるわけではない点に注意が必要です。
今回の作業がどの捕獲許可や防除計画に基づくのかを、契約前に書面で確認してください。
費用については、当サイトではアライグマ被害の目安を10〜35万円として整理していますが、封鎖箇所の数や清掃の範囲で大きく変わります。
考え方は害獣駆除の料金相場の記事で解説しています。
封鎖や清掃を業者に頼む場合の確認点は、アライグマ駆除業者の選び方にまとめています。
再発を防ぐ点検と環境づくり


封鎖して終わり、にしないことが長期的な安心につながります。
別の個体が同じ家を狙う可能性は残るためです。
- 餌になるものを断つ
生ゴミ・ペットフード・落ちた果実を屋外に放置しない。
コンポストや物置にはふたや施錠をします - 足場を減らす
屋根に届く枝を剪定し、物置や資材の配置を見直します - 定期点検を習慣にする
換気口の網・軒下・基礎まわりを季節の変わり目に確認します。
台風や大雨のあとは破損が生じやすいため、特に見ておきたいタイミングです - 保証内容を確認しておく
業者に封鎖を依頼した場合は、保証の対象箇所・期間・再発時の対応を書面で確認します
アライグマの生息は各地で確認されており、生態や分布は国立環境研究所の侵入生物データベースで確認できます。
農作物の被害が中心の場合は農林水産省の鳥獣被害対策の情報も参考になります。
「塞いだのにまた音がする」という場合は、別経路の存在や封鎖の緩みが疑われます。
再調査を自治体や業者に相談してください。
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よくある質問(FAQ)


まとめ:特定→追い出し→封鎖の順番で


アライグマの侵入経路について、入り口になりやすい場所から経路の見つけ方、登られやすい家の特徴、塞ぎ方の手順、法律の注意点、再発防止まで解説してきました。
本記事のポイントを最後に整理します。
- 侵入経路は屋根まわり・壁面の開口部・床下の3系統で探す
- 入り口は床下通風口・換気口・軒下・戸袋・瓦の隙間・増築部分の継ぎ目など多様。
潜り抜けの目安は直径12センチの円(農林水産省2025年研修資料)だが、形状や個体で条件は変わる - 開口部そのものより泥の跡・爪痕・足跡などの痕跡で使用中か確かめる
- 個体の不在を確認してから塞ぐ。
春から初夏は幼獣の取り残しに特に注意 - 資材はワイヤーメッシュなど強度のあるものをビスで固定する
- わなでの捕獲は別問題(無許可捕獲は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象)。
まず自治体へ相談 - 高所・広範囲の作業は業者へ。
今回の作業の根拠と保証を書面で確認する
「入り口さえ塞げば終わる」と考えたくなる気持ちは、よく分かります。
それでも、特定→追い出し→封鎖の順番を守った家のほうが、結果的に早く静かな夜を取り戻しています。
リフォーム業界15年・20社の害獣駆除業者を調査してきた経験から言うと、順番を守った封鎖は、再発防止の中でもっとも確実性の高い投資になります。
焦らず、記録と確認から始めてみてください。
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