タクミ「庭に土の山がいくつもできている…」
「芝生や花壇がボコボコに盛り上がってきた」
と悩んでませんか?
この記事では、モグラ退治を「本道の見つけ方」「効果が期待できる対策・避けたい対策」「法律と業者依頼の判断」の3軸で解説します。
せっかく手入れした庭や家庭菜園が荒らされると、すぐにでも捕まえたくなりますよね。
ただ、結論から言うと、モグラは鳥獣保護管理法の対象で、家庭の庭では原則として無許可で捕獲できません(農業・林業の事業活動に伴うやむを得ない捕獲には法令上の例外があります。詳しくは記事後半で解説)。
だからこそ基本戦略は「捕まえる」ではなく「本道を見つけて、そこから追い出す」になります。
やみくもにグッズを置くのではなく、モグラが毎日使う通り道(本道)を特定してから対策するのが、遠回りに見えて一番の近道です。
| 観点 | 押さえるべき対策 | やってはいけないこと |
|---|---|---|
| 本道の特定 | 踏みつぶして翌日盛り上がる通路=本道と判断する | モグラ塚の真下だけを攻撃する |
| 追い出し | 本道に振動・音・忌避剤を集中して設置する | ガム・ペットボトル風車だけで済ませる |
| 法律・依頼 | 捕獲は許可制と理解し、広範囲なら業者も検討する | 無許可で捕獲器・毒餌を使ってしまう |
読み終える頃には、自分の庭のどこに何を仕掛ければよいか、迷わず動ける状態になっているはずです。
守谷タクミ(獣害対策アドバイザー)
- 住宅リフォーム業界で15年勤務
- 20社の害獣駆除業者を調査・比較
- 害獣被害の修繕現場で蓄積した実体験をもとに情報発信
※当サイトの情報は環境省「鳥獣の保護及び管理に関する法律」、厚生労働省「動物由来感染症」、公益社団法人 日本ペストコントロール協会等の公的機関・専門団体の情報を、コンテンツ制作ポリシー、ランキングに関する根拠をもとに解説しています。
庭にモグラがいるサイン|モグラ塚と本道の見分け方


まず、本当にモグラなのかを確かめるところから始めましょう。
見分けるポイントは「土の山(モグラ塚)」と「地面の盛り上がり(トンネル)」の2つです。
トンネルを掘ったときの余分な土を地上に押し出してできる盛り土で、火山のような円すい状に見えることが多いものです。
はっきりした出入口の穴が見えにくいのが特徴で、明確な穴が開いている場合はネズミ類など別の動物の可能性もあります。
芝生や畑の表面が一直線〜うねるように盛り上がっていたら、浅い場所を掘り進んだ跡です。
歩くとフカフカと沈むことがあり、根の周辺の土が浮いて生育不良や枯れの原因になることがあります。
対策の要「本道」と「支道」を見分ける
モグラのトンネルには、毎日何度も往復する本道と、エサ探しのために一時的に掘る支道があります。
対策グッズは、利用頻度の高い本道を狙う方が効果が出やすくなります。支道は一時的にしか使われないことが多く、仕掛けても効果が出にくい場合があります。
見分け方はシンプルです。
盛り上がったトンネルを足で軽く踏みつぶしておき、翌日〜数日内にまた盛り上がっていれば、繰り返し使われている本道の可能性が高いと判断できます。
つぶれたままなら利用頻度の低い支道の可能性が高いため、仕掛ける場所の候補から外してください。



「踏んで、翌日見る」だけで本道の候補が絞れます。
地味ですが、ここが一番大事な工程です。
退治の前に知っておくモグラの3つの習性


対策の精度を上げるために、モグラの習性を3つだけ押さえておきましょう。
モグラは野菜や球根をかじりません。主食はミミズや昆虫の幼虫です。
作物が枯れるのは、トンネル掘りで根が浮いたり傷ついたりする「二次被害」によるものです。
つまり、ミミズが豊富な「良い土の庭」ほど、モグラにとってエサの多い環境になりやすいという皮肉な構図があります。
モグラは多くの場合単独で行動し、1匹が広いトンネル網を使います。
庭のあちこちに痕跡があっても、少数の個体によるものという可能性があります。
少数個体の被害なら、追い出しに成功すれば一時的に被害が落ち着くことも期待できるでしょう。ただし、空いた縄張りに新たな個体が入ってくる場合もあるため、再発防止までがセットです。
地下生活に適応して視覚への依存度が低い代わりに、嗅覚と振動を感じ取る力が発達しています。
追い出し対策が「振動・音・忌避剤(におい)」を軸にするのは、この感覚の鋭さを逆手に取るためです。
自分でできるモグラの追い出し方(効果が期待できる順)


本道が特定できたら、次の順番で対策していきましょう。
ポイントは「本道に集中して仕掛ける」「2〜3週間は粘る」の2つです。
地面に差し込むソーラー式の振動・音波発生器を、本道に沿って複数本設置します。
1本だけだと避けて通られるため、縄張りを囲むように間隔を空けて配置するのがコツです。
効果の出方は土質や設置条件に左右されるため、設置後しばらくは様子見が必要です。効果判定は2〜3週間を目安にしてください。
ホームセンターで買える固形・液体・くん煙タイプの忌避剤を、本道に開けた穴から投入します。
嗅覚が鋭いモグラに「ここは危険な場所」と思わせて移動を促す仕組みです。
雨で成分が流れると効果が落ちるため、天気と使用期限を見ながら追加してください。
新しいモグラ塚や盛り上がりが2〜3週間出なくなったら、追い出し成功のサインです。
トンネル跡を踏み固め、浮いた芝や根を押さえて水やりをして復旧させてください。
空いたトンネルはネズミなど別の動物に再利用されることがあるため、できる範囲で埋め戻しておくと安心です。



グッズの「最強」を探すより、本道への集中砲火が近道です。
場所が正しければ市販品で十分戦えます。
やりがちだが効果が薄い対策


検索すると出てくる定番の民間療法には、残念ながら期待しすぎない方がよいものもあります。
私がこれまで見聞きしてきた範囲でも、次の3つは「効いた」「効かなかった」が大きく分かれます。
- チューインガムを埋める
「食べたモグラが消化できず死ぬ」と言われる民間療法ですが、主食はミミズなのでそもそも食いつかないことが多く、科学的な裏付けも乏しい方法です - ペットボトル風車(100均でも定番)
公的な防除資料にも忌避音・振動の一例として登場しますが、風がないと振動が伝わらず、単独では効果が不安定です。風車「だけ」に頼ると、慣れられて終わるケースが目立ちます - 彼岸花などの植栽
球根に毒(リコリン)を含むため昔から田の畦に植えられてきましたが、庭全体を守れるほどの忌避範囲は期待しにくいのが実情です
共通する弱点は、どれも本道を無視した「点」の対策になりやすいことです。
コストをかけるなら、本道の特定と振動・忌避剤の組み合わせを優先してください。
モグラの捕獲と法律|庭では原則許可が必要


ここだけは絶対に押さえてください。
モグラは鳥獣保護管理法で保護されている野生動物で、無許可での捕獲・殺傷は原則禁止です。
同法には例外があり、農業または林業の「事業活動」に伴ってやむを得ず行うモグラ類・ネズミ類の捕獲は許可不要と定められています(鳥獣保護管理法第13条)。
実際、農地では本道に捕獲器を設置する防除法が自治体の技術資料でも紹介されています。
ただしこの例外はあくまで事業としての農林業が対象で、一般家庭の庭やガーデニング・趣味の家庭菜園には基本的に当てはまりません。
家庭の庭で捕獲器や殺鼠剤のような致死的な方法を使いたい場合は、お住まいの自治体(環境・鳥獣担当課)への確認が先決です。詳しい制度は環境省の鳥獣保護管理法の解説ページで確認できます。
だからこそ、この記事では「捕まえる」ではなく「追い出す」を基本戦略としています。
忌避・追い出しであれば許可は不要なので、法律面のリスクなく今日から始められる方法といえます。
迷ったら「殺さず、追い出す」を合言葉にしてください。
業者に依頼する場合の費用と選び方


次のようなケースは、自力にこだわらず業者依頼を検討する価値があります。
- 2〜3週間対策しても新しいモグラ塚が出続ける
- 畑・果樹園など被害範囲が広く、本道が複数ありそう
- 捕獲を含む本格的な防除(許可手続き込み)を任せたい
費用の目安として、全国対応の害獣駆除110番は公式サイトでモグラ駆除30,000円〜(税込)と案内しています。
ただし「〜」は最低価格表記で、被害範囲・作業内容によって総額が変わる点には注意してください。現地調査と見積もりで作業内訳を確認し、複数社で比較するのが鉄則です。
業者選びの判断軸は害獣駆除業者の選び方と料金相場ガイドで詳しく解説しています。
なお、見積もり後の高額請求などのトラブルは、消費者ホットライン188(独立行政法人 国民生活センター)に相談できます。
IPM(総合的有害生物管理)の考え方で、駆除と環境改善をセットで提案してくれる業者なら、なお安心でしょう。
再発防止|ミミズが集まる庭環境を見直す


モグラを追い出しても、エサ(ミミズ)が豊富なままだと、別の個体が縄張りを引き継ぎに来ることがあります。
再発防止は「エサの密度を下げる」「侵入ルートを断つ」の2つの視点で考えていきましょう。
- 未熟な堆肥・腐葉土を入れすぎない
ミミズが急増し、モグラを呼び寄せる原因になります。完熟堆肥を適量使うのが基本です - 花壇・菜園の周囲に防護ネットを埋める
深さ50cm程度まで金網や防獣ネットを埋め込むと、侵入ルートの物理的な遮断になります - 隣接地から続くトンネル跡は埋め戻す
空きトンネルは次の個体やネズミの「再利用ルート」になりやすいためです
畑の被害が深刻な場合は、農林水産省の鳥獣被害対策コーナーの技術資料も参考になります。
よくある質問(FAQ)


まとめ:本道の特定が9割。捕獲ではなく追い出しで解決する


最後に、この記事の要点を整理します。
- 穴のない土の山(モグラ塚)と地面の盛り上がりがモグラのサイン
- 踏みつぶして翌日盛り上がる通路=本道。対策はここに集中させる
- 振動・音波式忌避器+忌避剤の組み合わせを2〜3週間続けるのが基本
- ガム・風車だけの「点」の対策は期待しすぎない
- モグラは鳥獣保護管理法の対象。家庭の庭での捕獲は原則許可が必要
- 広範囲・長期化したら、複数社の見積もり比較で業者依頼を検討する
モグラ退治は、グッズ選びより先に「本道がどこか」を見つけた人から解決していきます。
リフォーム業界で15年、庭や床下の動物被害も数多く見てきましたが、闇雲に仕掛けて疲れてしまう方ほど、この最初の一手間を飛ばしているものです。
まずは今日、盛り上がったトンネルを足で踏んでみてください。
翌日また盛り上がっていたら、そこがあなたの庭の主戦場です。2〜3週間やっても収まらないときは、無理せずプロの現地調査(多くは無料)を活用してください。

